【大学入試対策】慶應義塾大学の入試傾向と対策
オンライン予備校CLEAR受験ジムの大学受験コラムです。
こちらのコラムでは大学別の入試傾向と対策について記載をしています。
キャンパス所在地
三田キャンパス
《学部・大学院》
文学部(2~4年)・経済学部・法学部・商学部(3・4年)
文学研究科、経済学研究科、法学研究科、社会学研究科、商学研究科、法務研究科
《アクセス》
田町駅(JR山手線/JR京浜東北線)徒歩8分
三田駅(都営地下鉄浅草線/都営地下鉄三田線)徒歩7分
赤羽橋駅(都営地下鉄大江戸線)徒歩8分
日吉キャンパス
《学部・大学院》
経済学部・法学部・商学部・理工学部(1, 2年)・文学部・医学部・薬学部(1年)
《アクセス》
日吉駅(東急東横線、東急目黒線/横浜市営地下鉄グリーンライン)徒歩1分
矢上キャンパス
《学部・大学院》
理工学部(3・4年生)・大学院生
《アクセス》
日吉駅(東急東横線、東急目黒線/横浜市営地下鉄グリーンライン)徒歩15分
新川崎駅(JR横須賀線)徒歩30分
信濃町キャンパス
《学部・大学院》
医学部(2年生以上)・看護医療学部(3年生)が学び、薬学部(1部の学生が病院実習)
《アクセス》
信濃町駅(JR総武線)徒歩1分
国立競技場駅(都営地下鉄大江戸線)徒歩5分
湘南藤沢キャンパス
《学部・大学院》
総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部
政策・メディア研究科・健康マネジメント研究科
《アクセス》
湘南台駅(小田急江ノ島線/相鉄いずみ野線/横浜市営地下鉄ブルーライン)西口よりバス「慶応大学」行き約15分
芝共立キャンパス
《学部・大学院》
薬学部(2年生以上)・大学院生
《アクセス》
浜松町駅(JR山手線/JR京浜東北線)徒歩10分
御成門駅(都営地下鉄三田線)徒歩2分
大門駅(都営地下鉄浅草線/都営地下鉄大江戸線)徒歩6分
学部紹介
文学部
文学部は1年次は日吉キャンパスで2年次以降は三田キャンパスで学びます。
1年次は一般教養などの基礎的な科目を学習し、2年次からは専攻科目を学習していきます。
専攻学科は5学系17専攻になり以下の通りです。
□哲学系
哲学専攻・倫理学専攻・美学美術史学専攻
□史学系
日本史学専攻・東洋史学専攻・西洋史学専攻・民族学考古学専攻
□文学系
国文学専攻・中国文学専攻・英米文学専攻・独文学専攻・仏文学専攻
□図書館・情報学系
図書館・情報学専攻
□人間関係学系
社会学専攻・心理学専攻・教育学専攻・人間科学専攻
経済学部
経済学部は慶応義塾大学を代表する学部であり、グローバル経済を意識したシステムが採用されており、海外の大学とのダブルディグリー・プログラムが推進されています。
専門教育は「ゼミ」「プロフェッショナル・キャリア・プログラム(PCP)」「研究プロジェクト」が中心です。
「プロフェッショナル・キャリア・プログラム」ではすべて英語で行われる経済学教育を少人数に対して行うというもので、より実践的な国際経済学を学ぶことができます。
法学部
難関私大の中でも最難関と言われる法学部で、司法試験合格者数上位の実績があることからも経済学部と並んで慶應義塾大学の代表的な学部であり、国際法学や外国語の習得にも力を入れているのが特徴です。
商学部
「経営学」・「会計学」・「商業学」・「経済、産業」が学びの中心ですが、「経済学」「統計学」なども学ぶことができ、広い範囲でのビジネスを学ぶことができます。
医学部
北里柴三郎によって作られたという歴史ある医学部であり、私大医学部だけでなく国公立大学も含めても最難関レベルの医学部になります。「臨床医を目指す者にも研究能力を賦与する基礎づくりに力を注ぐ」ということに重きをおいております。
理工学部
1年次は理工学部を学ぶ上で基礎となる数学、物理、化学などを学びます。
2年次以降はそれぞれの学科を専攻することで専門的に学習を進めていきます。
理工学部の学科は以下になります。
機械工学科・電子工学科・システムデザイン工学科・情報工学科
管理工学科・数理科学科・物理学科
応用化学科・化学科・生命情報学科
総合政策学部・環境情報学部
総合政策学部と環境情報学部は「湘南藤沢キャンパス」で学びます。
どちらの学部も必修科目が少なく、自由に好きな授業を取っていくことができるのが大きな特徴になります。
2つの学部で受けることができる授業はほぼ同じになります。
看護医療学部
他学部との連携が強いのが特徴の学部です。
総合政策学部や環境情報学部などの他学部の科目を履修することができ、医学部と薬学部と連携している必修科目として「医療系三学部合同教育プログラム」があり、共通のテーマにしたがってグループディスカッションを行います。
薬学部
6年制の薬学科と4年制の薬科学科で構成されます。
薬学科は薬剤師の免許を取得することができ、理論、演習、研究、実習などを行います。
薬科学科は実習は行わず、卒業後にも薬剤師ではなく研究職・開発職の道に進む人が多くなっています。
入試傾向と対策法について
英語
英語入試概要
慶應義塾大の英語の入試は私立大学入試英語のなかでも最難関の難易度になります。
理由としては⾧文の文章が⾧く、使用されている単語も難解なものが多いためです。
また、問題数も多くかなり早く文章を読んで理解するという能力が必要とされます。
出題されている文章の引用元がニューヨークタイムズなどの新聞や雑誌などであることも多く、本格的な文章を読むことになります。
英単語、英文法、速読、内容理解能力のレベルを高めた上で臨まなければ高得点の取得が難しくなります。
また、出題傾向は学部によって大きく異なっているので、自分が受験する学部に合わせて対策をとっていく必要があります。
解答方式は法学部はマークシート方式で、商学部では単語を記述、経済学部では英作文が実施されるなど解答方法が異なるので、受験する学部への対応が必要です。
英単語や熟語、構文などから⾧文や英作文に至るまで高難易度で総合的な英語力が必要となります。
出題形式と出題傾向
学部ごとの出題傾向を簡略にお伝えします。
【法学部】
・⾧文読解と同様レベルの読解力や速読力が必要と言われている「会話文」「討論文」「インタビュー文」の出題
・⾧文問題は問題文も英語で書かれているために読むのに時間がかかる
・内容理解、内容説明、空所補充などがよく出題される
・発音問題からの出題やアクセントに関する問題も出題される年度もあるので、英単語そのものに対する知識も必要とな る
・⾧文では時事内容から出題されることがあるので、新聞やニュースで情報を集めておく必要がある
【商学部】
・出題量は多くないが、英文法に関する問題が出題される
・英文法のほとんどは空所補充に関する問題なのでパターンを押さえて対応、内容は標準レベル
・長文問題は大問が7 題のうち6 題が⾧文というかなりボリュームが多い
・トレンドとなっているビジネスなどに関する問題の出題が多く、文章も長い
・試験時間は90分のため、時間配分の組み立てが重要になる
【文学部】
・かなり⾧めの⾧文だけが出題されるという特徴のある試験が行われている
・ほとんどの解答が記述式であり、字数が2000 字を超えることも普通にある⾧文のため難易度が高い
・文章は文学的なもの、抽象的なもの、概念的なものが多いために文章の本質をとらえるのが難しく国語力、文学的素養がも必要になる
・試験時間は120 分と⾧いが、内容説明や和文英訳などが出題されているために余裕があるわけではない
・紙の英語辞書を2 冊持ち込むことができるので普段電子辞書を使用している人は紙の英語辞書に慣れる必要がある
【経済学部】
・⾧文が大問3 題、英作文が大問2 題とボリュームがある
・⾧文の単語数は2000 字を超えてくる
・話題も時事問題やビジネス、流行、社会問題など幅広く扱われているので普段からの情報収集が必要になる
そのうえで、「速く読む」「正しく理解する」ことを徹底していくことが⾧文問題への対策になる
・和文英訳や自由英作文が頻出であり、大問の1 題が和文英訳、もう1 題が自由英作文になる
・自由英作文はパターンが決まっている
テーマを2 つ提示
1 つを選んで、もう1 つの意見に対して言及した上で、その意見に反論して自分の意見を主張するものであり、自分の意見をどれだけ論理的に素早く組み立てていけるかということが必要になる
【総合政策学部】
・大問3 題すべてが⾧文問題
・単語数も2000 字を超え、2500 字を超えることがある
・文章自体は文学部のように抽象的、概念的なものではなく論理的、具体的なものが多い
・使用されている英単語は難解なものが混じっているので、基礎的な力を鍛えておく必要がある。
・英文法に関しても同様で、難易度が高いわけではないのですが基礎から応用にかけて出題されている
【薬学部】
・⾧文問題が3 題が出題される
・マークシート方式での解答だが、使用されている単語が難しいものであったりするために難易度は低くない
・試験時間は80 分と短めなので、時間配分を意識することが必要
・⾧文の題材は科学や医療などを扱ったものが多いので、それらに関しての知識や情報も集めておく必要がある
・過去問などを利用して自然科学、医療に関する単語も合わせて覚えておく必要がある
【理工学部】
・⾧文が3 題、英文法の問題が1 題出題される
・マークシートと記述式の併用型で、⾧文は科学的なことをメインにした論述的、論説的な内容が題材となる
・会話文やインタビュー文も出題されているので準備が必要になる
・英単語は難解なもの、科学に関する単語なども押さえておく必要がある
・科学の話題、ニュースなども普段から調べておくことが望ましい
数学
数学入試概要
慶應義塾大学の数学は基本的には数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学Bが必須出題範囲であり、理工学部など理系学部では数学Ⅲも範囲になります。
頻出範囲としては「確率」「場合の数」「ベクトル」「数列」「微分積分」「整数問題」となり、「三角比」「三角関数」からの出題はあまりされていません。
その中でも微分積分と確率の出題が多いのが特徴となっています。
試験時間が足りない場合は確実に点数を取ることができる問題から解いていくという工夫が必要です。
試験問題は計算量が多く、時間がかかる問題にこだわると最後まで解ききれない可能性があります。
難易度は、問題傾向自体をオーソドックスな形にして内容を難しくするという形式になっていますので、特殊な形式を意識しなくても大丈夫です。
理系数学
全体傾向
理系数学は出題される単元が広いのが特徴です。
ただしすべての問題が難問というわけではなく、標準レベルの問題から難易度が高い問題まで幅広く出題されているというのが特徴です。
最難関の医学部であっても同じ傾向になりますが、暗記していれば解けるような問題はほとんどなく、基礎的な知識があった上で発想力や思考力が問われるような問題が多くなっています。
計算問題も出ているので根本的な数学力が問われます。
理工学部でも、思考力や発想力を必要とするオーソドックスタイプの問題が多く出題されています。
単元毎の単独知識ではなく、単元をまたいだ複合的な知識が必要となる問題も出題されているので、根本的な数学力が必要となります。
試験時間は120分で配点は150点。
大問は5つで、解答形式は、穴埋め形式と記述式の両方を採用しています。(比率は9:1位)時間がかなりシビアです。さらに穴埋め形式の問題では答えを間違えると時間を割いたとしても1点ももらえません。
そのため、高い計算力と処理能力を要求されます。しかしながら、問題自体は難問奇問といったものは少なく教科書のレベルをクリアしていれば解ける基礎的な問題がほとんどです。
ですから、練習の段階で難しい問題ばかりを解けるようにするのではなく、教科書程度の基礎問題を完璧にかつ素早く解けるようにし、公式などの基礎知識は脊髄反射で即座に引っ張り出せるようにしておくのが理想です。学校で配布される網羅系の問題集を何十回も繰り返しましょう。
理工学部の数学
出題範囲は「数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B・数Ⅲになり、数学Ⅲの微分積分に関する問題は毎年出題されています。
また、「確率」「数列」「ベクトル」などが多く出題されています。
難易度としては標準レベルよりも少し上というところですが、計算量が多い問題が出題されているので時間配分がとても大切になります。
大問は5~6題が出題され、前半3題は標準レベルの問題になり、後半2~3題は思考力や発想力が必要となる難易度の高い問題が出ています。
前半の標準レベルの問題では8割以上は取得したいところです。
解答形式は空欄補充式と記述式の両方になり、記述式の証明問題の配点は大きくなります。
後半の難易度が高い問題は、確率漸化式やベクトルの係数を設定するための座標の設定、座標を設定して容積を求める問題、曲線の移動問題、幾何定理があり、これらの問題は公式や定理を理解した上で類似問題や過去問を解いていく必要があります。
時間配分もしっかりと考えた上で赤本などを利用して過去問に取り組んでいくことを仕上げとして行っていく必要があります。
目標点
慶應大学も他の私立大学と同様、例に漏れず、英語の難易度がかなり高くなっています。
その為、数学である程度の点数を取ることが合格の為の必要条件となります。数学が得意な人ならば8割(120点)苦手な人でも6割(90点)は取れるようにしましょう。
例年、どの学問も全体で330/550(6割)取れば安心して合格できます。他教科と相談して目標を設定するのも大切です。
文系数学
全体傾向
文系学部であっても数学が重視された入試となります。
教科を選択で数学を選んだ場合は、入学してから数学を利用する講義が多い経済学部や商学部では有利になることもあります。
また、数学は点数をつけやすいために準備や対策が入念にできるのであれば、数学を選択した方が合格の可能性が高くなる場合もあります。
文系数学でも難易度は標準より少し上のレベルとなっており、計算量が多いという特徴があるために計算の基礎を固めることが必要になります。
「確率」、「数列」、「ベクトル」、「微分積分」など頻出の単元はしっかりと押さえておきましょう。
配点は以下のようになっています。
学部 | 方式及び試験内容 | 配点 | 特記事項 |
経済学部 | A方式 | 150 | |
商学部 | A方式 | 100 | |
総合政策学部 | 数学または情報と小論文 | 200 | |
総合政策学部 | 数学及び外国語と小論文 | 200 | 数学と外国語合わせて200点 |
環境情報学部 | 数学または情報と小論文 | 200 | |
環境情報学部 | 数学及び外国語と小論文 | 200 | 数学と外国語合わせて200点 |
全体として、数ⅡBからの出題が多いです。問題数も多いので、計算力が問われるでしょう。定石通りの問題は素早く正確に解けるようにしましょう。
商学部の数学
特に特徴的な学部の出題傾向として商学部の数学を紹介していきます。
商学部の出題範囲は「数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B」となります。
他の学部と同様に計算量が多い問題が多く出題されており、大問が4題もしくは5題出題されるために時間配分を考えていかないと最後まで解くことができないということがあります。
計算の正確さはもちろんのこと、スピードも必要になってきます。
出題単元は「場合の数」「確率」「微分積分」は頻出となっている上に色々な単元の融合問題も多く出題されています。
記述・論述で解答する問題も出題されているので、総合的な力が必要になります。
物理
基礎知識及び対策
試験問題は理科2科目、120分で配点は100点。大問は3つで、解答形式はマーク形式と穴埋め形式を採用しています。
例年、大問1は力学、大問2は電磁気、大問3は波、熱力学、原子が出題されています。
力学と電磁気の配点が大きいので集中的に演習しておきましょう。
物理にかけられる時間は1時間程度となるので、とにかく時間との戦いになります。物理が得意な人でも全部完璧に解き切るのは至難の技です。各大問の典型問題だけは絶対に落とさないようにしましょう。問題の取捨選択が突破のカギとなるのは間違いありません。
1つの問題に拘泥せず、臨機応変で柔軟に問題を解いていきましょう。分からなくなったらすぐ飛ばす位の心持でいいと思います。また、毎年、微分方程式を題材とした問題が多く見られます。もちろん必須ではありませんが、簡単な微分方程式をひとつの解法として習得するのも手かもしれません。
学習の方針としては、教科書をよく読んだ上で問題集を繰り返しましょう。繰り返しになりますが、基礎問題を落とすことは合否に直結します。このことを念頭に置いて学習計画を作ってください。
目標点
6割取れれば問題ありません。得意な人は8割、9割取って他の受験生に差をつけましょう。
化学
基礎知識と対策
配点、制限時間、大問数は物理と同じです。解答形式は、穴埋め形式で有機分野では構造式を書かせる問題が出題されています。
例年、大問1は理論化学、大問2は無機理論融合問題、大問3は有機化学が出題されています。この大問構成を見ても分かるように、理論化学の割合が大きくなっています。計算練習を怠らないようにしましょう。
全体として難易度は標準的ですから、他教科と同様基礎を大事にしてください。
常に現象に対して、なぜそれが起こるのかを追究しましょう。そうすることで、知識が立体的に構築されて盤石のものにすることができます。
目標点
物理と同じです。理科2科目で1教科なので自分の向き不向きで目標点を設定しましょう。
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