【大学受験対策】京都大学の入試傾向と対策

オンライン予備校CLEAR受験ジムの大学受験コラムです。
こちらのコラムでは大学別の入試傾向と対策について記載をしています。

京都大学について

京都大学は日本で2番目に創設された帝国大学である国立大学で、「関東の東京大学」「関西の京都大学」と呼ばれる最難関大学です。
創設時から「自由の学風」が建学の精神とされており、基本的には学生の「自主性に任せる」という傾向があります。 そのため、「自由」をめぐって論争が行われてきた歴史があります

キャンパス所在地

吉田キャンパス

《学部》
総合人間学部・文学部・教育学部・法学部・経済学部・理学部・工学部・医学部・薬学部・農学部

《アクセス》
京阪電鉄 出町柳駅から徒歩20分

宇治キャンパス

《アクセス》
京阪電鉄・JR 黄檗駅から徒歩5分

桂キャンパス

《アクセス》
阪急電鉄 桂駅からバス12分

学部紹介

総合人間学部

学科定員
総合人間120名

総合人間学部では2年次に進級時に5つの学系に分かれ、専門性を追求していきます。

「人間科学系」では、現代社会における人間を「思想」「社会」「文化」という3つの観点から学び、次代のリーダーを育成していきます。

「認知情報学系」では、人間の脳の機能、認知、行動、言語などについて学んでいきます。

それに関して必要となる情報科学や数理科学などの科目を履修していくことになります。

「国際文明学系」では、社会科学を歴史、文化などさまざまな面から研究を進めていき、国際的に通用する人材を育成しています。

また、新しい世界、新しい文明の理念を創造していきます。

「文化環境学系」では、世界それぞれの地域の文化、民族性、地域性をそれぞれの言語や生活活動、居住などの観点から読み解いていき、文化交流を理解していきます。

「自然科学系」では、自然科学に関する基礎的な知識を学び、さらに他の学系と連携することで人間、自然、環境などが共生していく道を探究していきます。

文学部

学科定員
人文220名

文学部の人文学科では人類が持っている特性や課題を思想、倫理、文化、科学などの観点から探究していきます。
そのために6つの学系と31の専修が設置されています。

「哲学基礎文化学系」には、哲学、西洋哲学史(古代・中世・近世)、日本哲学史、倫理学、宗教学、キリスト教学、美学美術史学(美学・芸術学、美術史学、比較芸術史学)という7つの専修があり、それぞれの地域の文学や思想、言語などについて学びます。

「東洋文化学系」には、国語学国文学、中国語学中国文学、中国哲学史、インド古典学、仏教学という5つの専修があります。アジア地域の文学、思想、言語、宗教を学んでいきます。

「西洋文化学系」には、西洋古典学、スラブ語学スラブ文学、ドイツ語学ドイツ文学、英語学英文学、アメリカ文学、フランス語学フランス文学、イタリア語学イタリア文学の7つの専修があります。

「歴史基礎文化学系」には、日本史学、東洋史学、西南アジア史学、西洋史学、考古学の5つの専修があります。

「行動・環境文化学系」には、心理学、言語学、社会学、地理学の4つの専修があります。

「基礎現代文化学系」には、科学哲学科学史、メディア文化学、現代史学の3つの専修があり、それぞれの観点から現代の課題、問題を探究していきます。

教育学部

学科定員
教育科学60名

教育学部ではありますが、教員を養成するための学部ではありません。
教育を行っていく上で基礎となる教育科学を学んでいくことが目的とされており、領域によって3つの学系に分かれています。

「現代教育基礎学系」では、教育学、教育人間学、教育史学、教育方法学、教育哲学、発達教育論、発達心理学、臨床教育人間学、臨床教育学といった学問を学び、学校教育、家庭教育などを探究していきます。

「教育心理学系」では、教育心理学、認知心理学、心理臨床学、臨床人格心理学、発達心理学、臨床実践指導学、臨床実践学、臨床人間形成学といった科目を学ぶことで、教育心理学、臨床心理学を探究していきます。

「相関教育システム論系」では、教育社会学、文化政策学、社会調査、犯罪社会学、メディア文化論、社会教育学、生涯学習論、図書館学、比較教育学、教育行政学、教育制度、教育政策学を学ぶことで、教育と社会の結びつきを探究していきます。

法学部

学科定員
330名

法学部には学科が設けられていないため、自由なカリキュラム、生徒の自主性が尊重されているという特徴があります。
1年間に履修できる専門科目数には上限が定められていますが、選択できる科目は幅広いものとなっています。

経済学部

学科定員
経済経営240名

1学科制ではありますが、理論・歴史、政策、マネジメント、ファイナンス・会計という4つのコースが設置されており、専門性を高めていくことが可能となっています。
1年次は経済学を基礎から学び、2年次から専門科目を学んでいきます。
専門基礎科目には、社会経済学、財政学、金融論、経営組織などがあります。
これら専門科目はすべて選択制となっており、必修科目は設定されておりません。

理学部

学科定員
311名

1年次、2年次において共通科目と専門基礎科目を学んでいき、3年次以降は専門性を高めた学習を行います。
数理科学系、物理科学系、地球惑星科学系、化学系、生物科学系という5つの学系に分かれており、それぞれの学系で卒業研究が行われています。

医学部

学科定員
107名
人間健康科学100名

合計207名定員

医学科では6年間の課程で医師や医学研究者を養成していきます。
解剖学、病理学、法医学、生理学、生化学、生命科学などを学び、臨床医学教育では臨床実習を行います。

人間健康科学科では3つのコースに分かれており、2年次後期から選択することとなります。
「先端看護科学コース」では基礎看護学、臨床看護学、家族看護学、地域看護学を中心に学び、「看護師」「保健師」の受験資格を取得できます。

「先端リハビリテーション科学コース」では、理学療法士資格に対応する理学療法学講座と、作業療法士資格に対応する作業療法学講座が設置されています。

「総合医療科学コース」では、生命・基礎医科学、臨床医科学、医療理工科学を学び、「臨床検査技師」の受験資格を取得できます。

薬学部

学科定員
薬(6年制)15名
薬科学(4年制)65名

1年次から3年次までは共通科目や専門基礎教育科目を学んでいきます。
薬学倫理・概論、薬学生物学、基礎有機化学などを学び、4年次に学科を選択することとなります。

薬学科では薬剤師、医療薬学研究者、技術者の育成を行い、4年次以降は病院実習、調剤薬局などを行います。

薬科学科では創薬科学研究者、技術者の養成を行っており、4年次には特別実習が行われます。

工学部

学科定員
地球工185名
建築80名
物理工235名
電気電子工130名
情報90名
工業化学235名

合計955名定員。

それぞれの学科でさらに専門のコースに分かれており、自分が学習を進めたい領域を専門的に学んでいくことが可能となっています。

多くの学科で1年次、2年次は基礎科目を学び、3年次以降に専門のコースを選択するようになっています。

農学部

学科定員
資源生物科学94名
応用生命科学47名
地球環境工37名
食料・環境経済32名
森林科学57名
食品生物科学33名

合計300名定員。

それぞれの学科で動物、植物、食物、環境などについて専門的に学んでいきます。
特に実験や実習を重視しているところが多く、総合的な学習が求められています。

入試傾向と対策法について

文系科目

英語

試験時間120分
大問3題

東京大学など他の国公立大学と比べると問題量は少なめで試験時間は長く取られています。
それだけに1問当たりの重要性が高くなっており、ミスが致命的になりやすくなっています。
大問1と大問2は英文和訳問題が多く出題されています。
どちらも500語前後の英文を読んだうえで、出題部分を和訳するという問題です。
文章を正しく読み取るというだけでなく、語彙力や英語表現力が問われるところです。
また、自然な日本語に訳さなければならないため、国語力も問われます。

大問3は英訳問題です。
日本語でもややこしい表現を英語にしなければならないため、他の言葉に言い換えることができるかどうかの判断力と知識が必要となります。
普段から、内容を理解した上でわかりやすい表現で英訳するという訓練をしておく必要があります。

国語

・文系
試験時間120分
・理系
試験時間90分
となっており、どちらも大問3題構成となっています。

大問1と2は現代文、大問3は古典となっています。
大問1は文理共通で、大問2と3では文系と理系で違う問題が出題されます。
評論だけでなく随筆や小説が出題されることもあり、幅広く対策が必要です。
古典では物語や説話からの出題が多く、和歌の解釈なども出題されています。

日本史

かなり細かい知識が問われるだけでなく、その事象について200字程度で説明をするという論述問題が出題されています。
配点も大きいのでこの対策が必要です。

世界史

東洋史と西洋史が2題ずつ出題されています。
そのため広い地域の知識が必要となります。
また、論述問題も出ていますので、その対策もしておきましょう。

地理

幅広い地域の知識に加えて、資料を読み取る力が必要です。
また、論述問題もありますので、知識を使って正しく論述するという力が求められています。

理系科目

数学

理系数学

試験時間150分
大問6題
全問記述式

論証問題が多く、こちらも小問によるリードがないため、自力で計算を組み立てていく必要があります。
頻出分野は整数問題、微分法・積分法、極限、行列などで、まれに微分方程式などが出題されることもあります。
難易度は非常に高く、公式などを暗記しているだけでなく、その公式をどのように使うのか、が重要となってきます。

文系数学

試験時間120分
大問5題
全問記述式

文系数学ではあるものの、数学Ⅲや数学Cからも出題されるという高い難易度となっています。
頻出分野は「微分積分」「ベクトル」「確率」「整数問題」で、証明問題が多く出題されています。
誘導型ではなく、自力で最初から計算を組み立てていく必要があるため、本質的な理解が求められています。

物理

物理法則に関係している問題が多く、その道筋を説明する力が必要です。

化学

知識だけでなく計算力も求められています。
速く正確に計算をしていくことで対応しなければいけません。

生物

こちらも知識だけでなく資料から正確に情報を読み取る力が必要です。
また、考察問題が重視されているので理解の上に考察力が求められています。

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