【大学受験対策】筑波大学の入試傾向と対策

オンライン予備校CLEAR受験ジムの大学受験コラムです。
こちらのコラムでは大学別の入試傾向と対策について記載をしています。

筑波大学について

その創設は江戸時代の昌平坂学問所までさかのぼると言われており、日本でも有数の歴史を持つ教育機関です。
のち、東京師範学校、東京教育大学を経て1973年に筑波大学として設立されました。

科学技術研究機関が集積する筑波研究学園都市の中核として、教育研究諸機関や経済産業界との連携に力を入れています。

キャンパス所在地

筑波キャンパス

《学部》
人文・文化学群・社会・国際学群・人間学群・生命環境学群・理工学群・情報学群
医学群・体育専門学群・芸術専門学群

《アクセス》
JR  土浦駅から「筑波大学中央」行バスで30分ほど
  荒川沖駅から「筑波大学中央」行バスで30分ほど
  ひたち野うしく駅から「「筑波大学中央」行バスで40分ほど

学部紹介

人文・文化学群

学類定員
人文120名
比較文化80名
日本語・日本文化40名

人文学類は4つの主専攻コース、11の細かいコースに分かれています。
・哲学主専攻・・・「哲学、倫理学」「宗教学」の2つのコースがあります。
・史学主専攻・・・「日本史学」「ユーラシア史学」「歴史地理学」の3つのコースがあります。
・考古学、民俗学主専攻・・・「先史学、考古学」「民俗学、文化人類学」の2つのコースがあります。
・言語学主専攻・・・「一般言語学」「応用言語学」「日本語学」「英語学」の4つのコースがあります。

比較文化学類は、
・日本、アジア領域・・・「日本研究コース」「日本文学コース」「中国文学コース」「アジア研究コース」の4つのコースがあります。
・英米、ヨーロッパ領域・・・「欧米研究コース」「フランス語圏文学・文化コース」「ドイツ語圏文学・文化コース」「英語圏文学・文化コース」の4つのコースに分かれています。
・フィールド文化領域・・・「文化人類学コース」「文化地理学コース」の2つのコースがあります。
・表現文化領域・・・「テクスト文化学コース」「文化創造論コース」「ワンプラネット文学・文化関係学コース」の3つのコースに分かれています。
・文化科学領域・・・「先端文化学コース」「情報文化学コース」の2つのコースがあります。
・思想文化領域・・・「現代思想コース」「比較宗教コース」の2つのコースがあります。

日本語・日本文化学類では日本語学、日本語教育学、日本文学などを基礎として学び、理解を深めていきます。

社会・国際学群

学類定員
社会80名
国際総合80名

社会学類では「社会学主専攻」「法学主専攻」「政治学主専攻」「経済学主専攻」の4つの専攻があります。

国際総合学類では「国際関係学」「国際開発学」の2つの専攻に分かれています。

人間学群

学類定員
教育35名
心理50名
障害科学35名

教育学類では「人間形成系列」「教育計画・設計系列」「地域・国際教育系列」「学校教育開発系列」に分かれて教育学を学びます。

心理学類では実験心理学から臨床心理学までを幅広く学ぶことで実践的な理解を深めていきます。

障害科学類では学校教育、特別支援、障害福祉などを総合的に学んでいきます。

生命環境学群

学類定員
生物80名
生物資源120名
地球50名

生物学類では「多様性コース」「情報コース」「分子細胞コース」「応用生物コース」「人間生物コース」の5つのコースがあります。

生物資源学類では「農林生物学コース」「応用生命化学コース」「環境工学コース」「社会経済学コース」の4つのコースに分かれています。

地球学類は「地球環境学主専攻」「地球進化学主専攻」の2つの専攻に分かれています。

理工学群

学類定員
数学40名
物理60名
化学50名
応用理工120名
工学システム130名
社会工学120名

それぞれの学類で最新のシステムを使っての研究が行われています。
工学システム学類では「JABEE認定」を受けるなど高く評価されています。

情報学群

学類定員
情報科学80名
情報メディア創成50名
知識情報・図書館100名

ソフトウェア、情報システム、ネットワークなどの理解を深め、知識と技術を修得していきます。

医学群

学類定員
135名
看護70名
医療科学37名

どの学類でも基礎を重視しながらも臨床実習に非常に力を入れているのが特徴です。

体育専門学群

学類定員
240名

一年次と二年次で専門基礎科目を学習し、三年次以降はさらに専門性を高めた学習を行うと同時に卒業論文の制作を行っていきます。

芸術専門学群

学類定員
100名

一年次と二年次は芸術全般についての理解を深めていき、三年次から専門的な科目を選んで卒業研究に向けて学習を行います。

出題傾向と対策法について

筑波大学ではまずセンター試験(大学入試共通テスト)で「8割以上」の得点率を目指すのが基本となります。
医学群であれば「9割」は欲しいところです。

二次試験は文系の学群では2~3科目、理系の学群では2~4科目の試験が行われますが、基本から標準レベルの問題が多いため、「基本問題を確実に正解する」ということが重要となります。
まずはどの科目も基礎的な知識を固めていくようにしましょう。

配点は学部によって様々ですが、二次試験で7割をとれるかどうかが合否の分かれ目となってきます。
また、二次の配点比率が55~60%の学類が多く、一次でも二次でも安定して点を取る力が必要です。

文系科目

英語

大問1と2が長文読解、大問3が長文と英作文の融合問題で合わせて大問3題の構成になります。
試験時間が120分ですが、記述での解答が非常に多いために時間の余裕はそれほどありません。

長文2題は700語前後と1000語前後の長文が出ており、一方が評論文のような文章で、もう一方は随筆文のような文章となっています。

評論文などでは国際情勢や社会問題、英語教育に関しての論説文などが話題として出題されるので普段よりこのようなニュース、雑誌から情報を集めておくと良いでしょう。
ただし、難易度としてはそこまで高いわけではないので、長文対策を行っている学生であれば苦労はしないレベルの問題です。
ただし記述問題が多いことからスピードを意識して取り組まなくてはなりません。

英作文は語句整序などの問題に加えて80~100字程度の自由英作文が出題されます。
テーマについて文章を組み立て、わかりやすい表現を使って書かなければいけないので、そのようなトレーニングをしておくことが必要になります。

採点は自分では難しいため、学校や塾の先生に添削をしてもらい、修正、やりなおしを加えていくことで精度を上げていきましょう。
近年自由英作文を採用している大学が増えてきているため、筑波大学以外の過去問を行ったり、市販の問題集で自由英作文対策を繰り返し行うことがポイントとなります。

国語

文系学類では現代文2題、古文1題、漢文1題の大問4題構成で、医学群では現代文のみ2題となっています。
試験時間は文系学類で120分、医学群では90分です。

現代文では大問1が評論文、大問2が小説となることが多くなっています。
全問題が記述か論述となっており、「簡潔に説明しなさい」という設問が出ます。
そのため短い言葉で答える練習が不可欠です。

古文では文章は400字前後の短いものが多く、国公立では珍しく「和歌」に関する問題も多く出題されます。
古語や古典文法に関する知識が問われる問題も出ますが、和歌については出題している大学が少ないため過去問の演習が難しくなります。
この古文でも記述形式で答える問題が出ているためにそれにも対応できる準備が必要です。

漢文では、「ふりがな、送り仮名、返り点」といった基本知識は勿論のこと、「白文」の状態で問題が出されることもありますので難易度が高くなります。
白文の入試問題を演習するためには筑波大学の過去問だけでなく、九州大学や神戸大学など同様に白文の問題が扱われている大学の過去問を行うのも良いでしょう。

世界史

大問4題構成で、そのすべてが400字程度の論述形式で答えるものになります。

そのために1600字程度の論述を120分で答えるので時間配分はかなり難しくなります。
問われる問題自体は難易度はそれほど高くなく、標準レベルの出題が多数と言えるでしょう。
そのためある程度の知識と論述に対しての慣れがあれば対応が可能となります。

出題分野は中世以降のものが多く、中世キリスト教やイギリス、フランスなどの政治などから近現代にかけての範囲が頻出となっています。

国ごとの出来事を時系列でつかみ、それぞれの出来事がどういったものなのか、何が原因で起きたのかということを理解する必要があります。

基礎的な知識を押さえた上で、論述に対しての練習をしていきましょう。

日本史

世界史と同様に400字程度で論述する問題が4~5題出題されます。
そのため日本史も時間配分がかなり重要になります。

出題範囲は古代、中世、近世、近現代と幅広く出題されているためにどの時代に関しても学習が必要となります。
基本的な問題が多いものの、使用語句が指定される問題も出題されているので細かい知識が問われるようにもなっています。

5題出題された場合は2000字程度の論述を行うために、早く正確な論述を行うトレー二ングが必要です。
はじめから400字の論述を書くよりも、重要語句などについてどれだけ説明ができるかということを重視した方が効率が良くなります。

歴史的な出来事や人物について正確な論述ができるか、ということを練習していれば長い論述にも対応できるようになります。

地理

大問が3~4題という構成で、こちらも300~400字程度で論述をする問題になります。

地理の特徴は必ず「地形図」に関する問題が出題されているということです。
扇状地や三角州、海岸段丘などの地形は頻出されており、地形断面図が出題されたこともあります。

また、用語を答えるというだけでなくデータ資料やグラフ、写真、図を見てそこから情報を読み取って論述をしていくという問題が出題されるため難易度はかなり高くなっています。

そしてもう一つの特徴は筑波大学に在籍している教授が研究している分野が入試に多く出ているということです。
そのため教授が研究している分野を先に調べておけば出題分野を予測するということもできます。

理系科目

数学

理系数学

数ⅠAの範囲は出題されませんがもちろん基礎的な知識は必要となってきます。また、大問6題の中から解く問題が指定されたり、自分で選択をしたりするため、解く問題を間違えないように事前準備はしっかりしておきましょう。
特殊な形式なだけに、早い段階での戦略やそれに沿った演習の積み重ねがとても大切です。

数ⅡB・Ⅲの試験の頻出の分野は数Ⅲの微分積分、指数・対数関数です。この二つの分野は密接な関係があり、受験生が苦手とするところなので、特にこの2分野は重点的に演習を行いましょう。

証明問題も近年出題が多くなってきています。証明問題はたいてい誘導がついているため、それを上手く使って解答を書く練習をしましょう。
また、高校分野の基本的な証明方法はすべて自由に使えるまで練習をし、証明問題を解くときには自分の頭の中にある数種類の道具から最適なものを選ぶ、というステップを踏めるようにしましょう。

全体的な難易度はそれほど高いものではありませんが、それゆえに基礎力が大事になってきます。どの過去問をやっても安定して7割以上をとれるレベルが一つの大きな目標です。

文系数学

大半の問題が誘導形式であり、かつ120分で2題を解けばよいので、かなりじっくり熟考することができる反面、幅広い知識と安定した数学力を要求される試験です。

こちらも選択問題があるため、解く問題を間違うことのないようにしてください。自分にとって解きやすい問題を瞬時に見つけることも得点に直結する重要な力となってきます。

時間的余裕があるだけに、わからない問題を放棄して別の選択問題に移ることはないように注意しましょう。たいてい解くための丁寧な誘導がついているので、何度も問題を変えることは時間のロスになります。

過去問演習では、わからない問題があっても60分程度は解く方法がないかじっくり考える癖をつけましょう。
ある程度の問題までを60分の思考時間で解けるようになれば、数学で点数を稼ぐことも可能になります。

物理

理科は学類によって教科数が違いますが、どこを受けても1教科あたり60分の時間配分で解くことになります。

時間が比較的短く、目新しい実験装置が題材のことが多いため、問題文や装置を見て問われている本質を見抜くことが大切です。必ず高校で学んだ現象を問われているので、ほかの要素に騙されないように注意して冷静に解いていきましょう。

また、受験生がおろそかにしがちな原子物理の問題もよく出題されています。対策を怠ってはいけません。

力学・波動・電磁気・原子の4分野がバランスよく出題されるため。すべての分野の深い理解が必要となってきます。力学は毎年出題されているようですが、衝突・慣性力などの細かい知識が必要な問題が多いです。基礎的な問題集に繰り返し取り組み、知識やアプローチの方法に抜けがないようにしてください。

化学

基礎的な題材の問題が多く、字数制限のある論述問題が例年出題されます。解答に必要な要素を簡潔に記述する力を養いましょう。

無機化学と理論化学は融合問題として出題されることが多い一方、有機化学はしっかりとした構造決定問題が出題されることが多いです。

構造決定問題は、有機化合物の性質を覚え、問題中で性質差を使って化合物を特定する、ということができるようになるまでにたくさんの演習が必要ですが、慣れればどんな問題も解くことができるようになります。ほかの分野の学習も大切ですが、有機分野を自分の得点源にできれば、合格がグッと近づくはずです。

生物

標準レベルの問題が多いですが、特徴もあります。
他の大学であまり出されることがないような生物、生態、進化に関するような問題が出されることが多く、特化して勉強していなければ対応できないかもしれません。

また、それらについて100字程度で記述する、論述するという問題が複数出題されているために時間との勝負にもなります。
単純に名前を覚えるだけでなく、それらの現象や考察について説明できるように仕上げる必要があります。

筑波大学入試のまとめ

筑波大の問題は、一見難しく見えても問うている内容は標準的なことである問題が多いです。
しっかりと演習を重ねて基礎知識を身に着け、問われている内容を素早く把握できるようにすれば、十分合格圏内に入ることができます。

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