【大学受験対策】学習院大学の入試傾向と対策

オンライン予備校CLEAR受験ジムの大学受験コラムです。
こちらのコラムでは大学別の入試傾向と対策について記載をしています。

学習院大学について

始まりは江戸時代末期に京都の御所で開かれた学習所であり、明治時代に入って皇族や華族のための教育機関として東京で開校されました。
そういった経緯から「礼儀」「教養」に近く、「実学」からは少し遠いものとなっています。
教育目標は「広い視野」を持つということで、広い範囲にわたっての学習を基本としており、多くの科目を履修するというシステムとなっています。
2020年度時点で男子生徒約4300名、女子生徒約4900名で9200名ほどの生徒数となっており、新入生は2100名ほどとなっています。

キャンパス所在地

目白キャンパス

《学部》
法学部、経済学部、文学部、理学部、国際社会科学部

《アクセス》
JR山手線 目白駅(徒歩1分)

学部紹介

法学部

学科定員
250名
政治230名

法学科、政治学科ともに法律学や政治学を基礎からしっかりと修得するようなカリキュラムとなっています。
年次が進むに連れてそれぞれに必要な知識を追求するという形式となっているため、無理なく学んでいけます。

法学科では、専門的に法曹界を目指す学生、法律知識を必要とする公務員などそれぞれ希望する進路に合わせた科目を選択することができるようになっているという特徴があります。

政治学科では幅広い分野で活躍できる人材を育成するものとして「特別選抜コース」が設置されています。
これは1年次の終了時点で希望する生徒が受ける選抜試験の結果によって選択できるもので、3年間を法学部で学んだ後、大学院教育までを一貫して少人数制で行われるものです。

経済学部

学科定員
経済250名
経営250名

経済学科、経営学科どちらの学科でも「3年次卒業制度」を利用することができるようになっています。
学部3年間に加えて大学院での2年間を加えて5年で「修士」を認定するというものです。

これによって専門的な学問を短期間に凝縮して学ぶということが可能となっています。

さらに経済学研究科では大学院での2年の修士課程コースを1年に縮めることで合計4年間で修士号を修得できるというコースもあります。

経済学科では、現実的な経済理論だけでなく、それに関わる歴史や理論などを広範囲に渡って学ぶことで広い視野を持って経済政策を思考できる人材を育成しています。

経営学科では、それぞれの企業の風土、歴史を学び、国際経済、地域経済などを学ぶとともに、IT教育も行うことで会社運営、経理、簿記、会計などの地力をつける教育が行われています。

文学部

学科定員
哲学95名
史学95名
日本語日本文115名
英語英米文化115名
ドイツ語圏文化50名
フランス語圏文化65名
心理90名
教育50名

哲学科は東洋の思想や哲学だけでなく西洋の思想や哲学を学んでいく「哲学・思想史系統」と絵画、美術、芸術などの幅広い芸術分野を学んでいく「美学・美術史系統」の2つの系統に分かれています。

史学科は、1年次は同じ基礎的な科目を履修し、文献史学をベースにして幅広く史学を学びます。
3年次になる際に「日本史」「東洋史」「西洋史」の中から専門分野を決定して、より深く学んでいきます。

日本語日本文学科では日本語や日本文学を中心に学んでいく「日本語日本文学系統」と、日本語や日本文化に興味を持っている人々や外国人に対してそれらを教える方法を学ぶ「日本語教育系統」の2つに分かれています。

英語英米文化学科は、単純に英会話を学ぶというものではなく、英語圏の歴史、文化、社会、風土、文学を学ぶことでより実践的な英語を学ぶことができます。
そのためにレベル別の英語専門科目設定や少人数でのゼミ指導などが準備されています。

ドイツ語圏文化学科では、1年次と2年次には基本科目を履修して基礎知識を学びます。
3年次になると「言語・情報」「文学・文化」「現代地域事情」の3つのコースに分かれてより専門的な知識を学んでいきます。
ドイツ語圏への留学制度なども充実しており、深いドイツ語圏教育を受けることができます。

フランス語圏文化学科では、1年次と2年次にはフランス語やフランスに関する基礎知識を学んでいきます。
3年次以降は「言語・翻訳」「舞台・映像」「広域文化」「文学・思想」の4つのコースに分かれて専門的な知識を学んでいきます。
特に語学教育は少人数制での細かい指導が行われることが特徴です。

心理学科では、1年次から基礎科目と同時に心理学の専門科目を履修することが可能となっており、心理学を広く深く学ぶことができるようになっています。
心理学のそれぞれの専門分野に教員が配置されていることから、心理学の専門的な指導を受けられます。

教育学科では一般的な教育指導知識だけでなく、コミュニケーション能力の向上、実践的な学習指導、多文化共生社会教育などを行うことで、広い知識と視野を持った人材を養成しています。

男子が約35%、女子が約65%と女子が多いのも文学部の特徴となっています。

理学部

学科定員
物理48名
化学54名
数学60名
生命科学48名

それぞれの学科で生徒数に対して教員数が非常に多く配置されていることで、少人数制での徹底教育を行っているのが理学部です。

物理学科では1年次から力学基礎、解析力学、電磁気学、熱学、統計力学など物理学の体系知識を学んでいきます。
3年次からは具体的に物理学の手法を深めていきます。
数理解析学、物理数学、物理実験、数値解析などを踏まえて専門知識を学んでいきます。

化学科では1年次から3年次までかけて基礎学力、基礎知識を少人数制の教育で徹底的に学んでいきます。
そして4年次にはそれぞれが選択した専門分野の研究室に入り、そこで卒業研究を行っていきます。

数学科は少人数制を活かした細かい理論指導、演習指導を行っています。
解法を一方的に指導するだけでなく、問題演習を通して、実際に理解することができるまで時間をかけて学ぶことができます。

生命学科では、基礎知識として物理、数学、化学、生物学を学んだ上で生命を分子のレベルから理解していく「分子細胞生物学」を学んでいきます。

こちらは男子が約65%、女子が約35%となっています。

国際社会科学部

学科定員
国際社会科学200名

2016年に新しく設置されました。
英語と社会学を基礎から学ぶことと、1ヶ月の海外留学を行うことで国際的に通用する社会人を養成しています。

入試傾向と対策法について

文系科目

英語

英語の試験は試験時間が90分、大問数6~7題、マーク式と記述式混合の形式となっています。

大問は読解問題が2~3題、文法や語彙問題が2題、会話文が1題、英作文が1題と色々な形式で出題されるようになっています。
マーク式と記述式を併用している形にはなっていますが、英作文などを除いて多くはマーク式で答える問題となっています。
出題形式や問題の傾向はどの学部でも似たものとなっていることも特徴だと言えます。

読解問題はそれほど長い文章ではなく、400~500字程度のものが多くなっています。
3題出題されている場合は2題が空所補充などの選択問題となり、英文和訳などの記述問題が合わせて出題されます。
残りの1題は4択の空所補充問題となります。
選択問題、記述問題ともにレベルはそれほど高い問題ではなく、基本的な英語力が必要とされます。

文法・語彙問題は誤りを指摘する問題と空所補充が形式としては多くなっています。
問題の多くは基本的な構文、慣用句などの基礎的な知識が関連していますので、何よりも幅広い英語の基礎語彙力が必要となります。
難解な慣用句などはそれほど出題されませんが、構文の正しい組み立て方、慣用句の使い方などの知識が必要となる英文法に関する問題は多く出題されるため、語彙力と合わせて英文法も鍛えておく必要があります。

和文英訳の英作文は英文すべてを記述するのではなく、文章の最初だけ、もしくは最後だけは決まっており、それに付け加えて完成するような形式となっています。
1問5点の配点の問題が2題出題されるため、非常に大きな配点となっています。

最初や最後の英文が指定されていることで、逆に難しく感じることがあるかもしれません。
英文の表現を数多く知っていて、その文章ごとにどれをどう使うかを判断していく必要があります。
単語や熟語、慣用句などを多く覚え、英文法も合わせて覚えた上で英作文の演習を繰り返し行うことが対策となります。
また、英作文は必ずしも答えが1つとは限りません。

自分で答えた文章がどれだけ点数がもらえるのかは自己採点ではわかりにくく、どう直せば点数がもらえるのかもわかりにくいものです。
英作文に関しては学校の先生、塾の先生、家庭教師などに添削をしてもらうことをおすすめします。

国語

多くの学部で「現代文1題55点分」「古文1題35点分」「漢字10点分」という形式で出題されています。
マーク式と記述式の併用となっていますが、多くはマーク式で、漢字の書き取りなどのみ記述式となっています。

現代文

現代文は物語文よりも評論文などの方が多く出題される傾向があります。
漢字の書き取り、文法の活用形や活用の種類、内容理解など幅広く出題されています。

解き方は特にクセのあるものではなく、内容を正しく理解した上で、なぜその答えになるのかをはっきりさせて答えを選ぶという解き方で問題ありません。

その選択肢だけを解くために下線部の付近だけを読むという解き方ではうまく解けません。
文章全体の流れと要点を読み取った上で設問を解くようにしましょう。

要点をつかむのが苦手だという人は勉強をする際にその文章の要旨を50字、100字などでまとめる練習をすると効果的です。

正しく要旨がつかめているかどうかは学校の先生や塾の先生に採点してもらいましょう。
自分で現代文の問題演習をする際にはできるだけ解答、解説が細かく記載されている問題集を選ぶと良いでしょう。

古文

古文は過去の傾向を見ているとどの学部でも中世の作品からの出題が多くなっています。
出題形式はさまざまですが、基本的な古語を知っているという前提の問題が多く、基礎的な古文知識が重要視されています。

その古語自体の意味を聞いてきたり、口語訳、古典文法、主語選択、内容理解などに関する問題が出題されています。
古典文法では頻出とされている動詞、助動詞の活用形、活用の種類などが多く出ています。
この古文の分野で高得点を取るためには古語、古典表現をまず押さえておく必要があります。

その上で、一部だけではなく、文章全体から文脈、要点をつかむことが重要です。
文脈がしっかりと読みとれていれば、わからない部分があったとしても推測することが可能です。
普段から古文の文章をとにかく多く読んで、「古文に慣れる」「文脈をつかむ練習をする」ことが重要だと言えます。

また、学習院大学では古文の文法問題がほぼ毎年出題されています。
特に動詞と助動詞の意味、用法、活用などは絶対に押さえておきましょう。

世界史

60分の試験時間で60~70題の設問を解きます。

大問は5題で、古代から現代にわたって幅広く出題されています。
また、東洋史、西洋史ともにバランスよく出題され、マーク式と記述式の併用で解答していきます。

政治史と文化史両方から出題されているのですが、問題のほとんどは標準レベルの問題で、それほど難問は出されていません。
東洋史では中国に関する問題が圧倒的に多く、漢字で記述しなければいけないこともあるため記述形式で答えることに慣れておく必要があります。
西洋史でも人名は間違えやすいので注意しましょう。

近年は政治史と文化史を融合した問題も出題される傾向があります。

文化、芸術に関連した問題を出題する際に同時期の政治体制を問うてきたり、その作品が世に出された歴史的背景を問うような問題が出題されているのです。
これも作品だけを切り離して覚えるのではなく、歴史、政治と組み合わせて覚えていく必要があるといえます。

また、学習院大学の世界史ではそのことがらの概要、要旨を短文で答えさせるという「短文論述問題」が出題されています。
これも国語や英語と同じように普段から短い文章で要旨をまとめるような練習をしておくことが必要です。
そのことがらに関することを知っていることは当然として、その要旨を短くまとめて答えることができるようにしておきましょう。

日本史

世界史同様に試験時間は60分で設問数が60~70題ほどです。

大問は5題でそれぞれ20点配点となっており、2題がマーク式、3題が記述式という形式が多くなっています。
古代から現代にいたるまで広い範囲から問題が出されているのですが、「政治史」「文化史」「外交史」のようなテーマ問題が多いという特徴があります。
時代だけで単独で考えるのではなく、時代を超えてテーマというくくりで出題されることが多いのです。

それぞれの問題は教科書レベルの標準問題が多いのですが、中には難問も出題されているため高得点はとりにくくなっています。
出来事の起こった時代、年号や事件の内容、関連している人物などを体系的にとらえることが重要となっており、それぞれを関連させて覚える必要があります。

史料問題はそのままの形で出題されることはあまりありませんが、その史料を知っていないと解けないという問題は多く出題されます。
史料集に掲載されているような書物、美術品などについては一通り知っておく必要があります。
その史料を見れば関連することがらが浮かぶという段階まで学習しておきましょう。

また、学習院大学の日本史の特徴であるテーマ史に関する問題は、テーマ史に関する問題集をやりこんでおくことをおすすめします。特に政治史や文化史、経済史、外交史は頻出です。

これらについては時代ごとに切り取るのではなく、歴史全体を通してという考え方で覚えていきましょう。

地理

学習院大学の地理は60分の試験時間で大問が4~5題、マーク式と記述式の併用となっています。

国際紛争や民族紛争、食料不足、環境破壊などの社会問題や国際問題に関連した問題が多く出題されています。
特にそれぞれの国や地域の産業や資源に関する問題は重要視されています。
論述で答える問題はそれぞれの問題の要因や内容、解決策などを答える問題が多くなっています。

単純に地理用語だけ覚えていても点数をとれないような難問が多いのが特徴です。
地理用語や資源、地形などをベースにした上で、起こっている現象に関しての問題が出されるため基礎からそれを使った応用まで幅広く準備しておかなければいけません。

また、社会問題が出題されることが多いことから時事問題に関係している内容が出題されることが多いという特徴もあります。
日常的に新聞、ニュースなどを見て社会的にどういった問題が起こっているのか、その内容と原因などについて関心を持っていることが重要です。

そして論述形式で答えることに慣れるということも重要です。
地理用語をしっかり使った上で事象について説明するということを50字から100字程度でまとめることに慣れていなければいけません。
用語だけを並べるのではなく、説得力のある文章を書くにはやはり練習が必要となります。

理系科目

数学

学習院大学の数学は大問が4題でそれぞれ25点配点となっており、試験時間は60分です。

すべて記述式となっていますので、時間配分にも注意しなければいけません。
「微分積分」「三角関数」「確率」「証明問題」が多く出ているという傾向があります。

レベルとしては教科書レベルの標準的なものが多く、微分積分や確率などでもそれほど難解な問題がだされるわけではありません。
ただし、数学は時間配分が重要となるために、すべての問題にじっくりと時間をかけて解いていると時間が足りなくなります。
問題レベル自体は難しくなくても時間が足りなくて全問解答ができないということもあるのです。

そのため、それぞれの分野の問題について数をこなして解きこむことで、「模範的な答えを速く作る」ということに慣れる必要があります。
時間を意識しながら公式や定理を使って速く解くことを練習することが対策となるのです。

また、問題を一通り見て、時間がかかる問題とすぐに解ける問題の取捨選択も重要となります。
勉強する際には時間を計って本番形式で過去問を解いてみるということが効果的です。

特に証明問題は効率よく解き進めていかないとかなりの時間をとってしまいます。
頻出の問題などであればパターンに当てはめて最短で解けるようにまで仕上げておくと良いでしょう。
証明問題は採点基準などもあるため、先生などに添削してもらうのがおすすめです。

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